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大川小学校児童津波被害国賠訴訟を支援する会です。

6月14日午後2時、仙台高等裁判所で、控訴審の第3回口頭弁論が開かれました。以下、当日の法廷と進行協議の内容を報告します。

 過失論について主張

私たち原告は、前回裁判所から要請があった「過失論について、総論を具体的に当てはめた各論」として、6月12日に「準備書面4」を提出し、被告には緊急時の責任を果たさなかった「過失(a)」に加えて、平常時の責任を果たさなかった「過失(b)」も適用されるべきだと主張し、詳しく論点をあげました。これは控訴審で裁判所が、学校安全保健法に基づき、石巻市らの災害についての事前対策の妥当性についても審理するとの方針に沿った主張です。

他方、被告石巻市と宮城県は、裁判所から求められた「原告側への反論」として準備書面4を出し、「大川小学校の危機管理マニュアルは当時要求されていた水準を満たしていたので、過失責任はない」などと主張しました。

被告は証拠の提出も杜撰

被告は、裁判所が提出を求めた「ハザードマップで浸水域と指定されていなかった市内22の小学校の危機管理マニュアル」と、原告が求めた大川中学校のマニュアルについて、多くの学校について避難訓練の計画は出してもマニュアルは出さず、ページが抜けているところがあるなど杜撰なもので、裁判長からの「原告から要請された釈明事項、被告は検討したか?」との質問にも「検討していない」と答えるなど、きわめて不誠実な対応でした。

以上が、裁判所の口頭弁論で行われた内容です。

 

非公開の進行協議

続いて行われた非公開の進行協議では、主に以下のやり取りがありました。

県の危機管理要項・マニュアルの提出

まず原告側として、平成8年の宮城県教育委員会による危機管理要項とマニュアルの提出を求めたのに対し、県と市は「原本はないかもしれない、バージョンアップして改訂したから」と述べ、原告は「それはおかしい。津波事故直後、市と県のマニュアルはホームページから削除されて、今あるのは地震後のマニュアルだけだ。県は証拠となるものを意図的に隠したもので、保存期間が過ぎたという言い訳は通用しない」と指摘しました。

原告はさらに、平成21年の教頭会議、職員会議の内容について資料の提出を求め、裁判所は当初「すでに出ているのでは」としたのですが、「それは表紙だけだ」と指摘したところ、裁判所もその必要性を認め、被告側に個々に文書の提出を求めました。

被告「A教諭は書面尋問で」と

続いて、ただ一人生き残ったA教諭について、石巻市と宮城県から書面尋問を予定していると説明があり、原告側は反対尋問ができないので消極的だが、市と県からの書面による申請内容を見てから対応すると答えました。

今後の証人について

さらに、裁判所は「津波前の注意義務について立証を求めたいので、個々の現場の教師ではなく、地震前の市と県の対応を的確に述べられる証人を申請して欲しい」、と要請しました。ところが市の代理人は、「証人申請するつもりはない」と拒否したのです。

私達原告は、「市の教育長を申請することにもなりかねないが、トップより事実関係を熟知する市教委関係者を市の側から証人申請されるのを待っていた。もし市から申請しないのであれば、こちらから保護者説明会に出席していた前校長などの申請を考えざるを得ない。しかし、本来市の側から出すべきではないか」、と主張しました。

裁判長もこの主張に同意し、市から適当な人間を出すように求め、被告側は「人選について検討する」、となりました。

事前マニュアルの提出について

さらに、事前のマニュアルについて、裁判所は「市が証拠として出さないのであれば、作っていなかったものとみなす。」と述べました。大川中学校についてのマニュアルは、原告が求めたにもかかわらず、「確認中」との言い訳をして今回も出されず、裁判所から「早めに出すように」と指摘されたが、被告側は「検討する」とのみ答え、具体的にいつ出すかは明言しませんでした。

以上が、進行協議の内容でした。

この後、弁護士会館で報道陣との記者会見を行い、新聞・放送メディアとの活発な質疑が行われました。

次回の公判は、7月19日午後1時半からと予定されています。可能な方は、ぜひ傍聴に来ていただくようお願いします。

引き続き皆さまのご支援をよろしくお願いします。

(只野英昭) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とくに公立学校という義務教育体制の管理下で、しかも親にとっては実質的に他の選択肢のない小学校の「児童」は、一般に大人や中高校生の「生徒」と比べて判断能力が劣るとみられ、「学校」、「校長」「教頭・教員」には災害が発生した際にはそうした児童を守る高い法的義務と責任が存在する。にもかかわらず、被告である市教委及び学校、教員側は、危機管理マニュアル整備などの事前の適切な対策をとらず、当日もそうした安全配慮義務を果たさず、子供たちの命を奪った責任は重いと主張した。

一審判決は津波到来7分前の3時30分以降の個々の教員の「過失」のみを認定したが、原告としては、学校管理下にあった子供たちが被災したのだから、学校組織による「組織的過失」も重視すべきだと主張した。言い換えれば、組織的な注意義務を果たすことが、教員個々人の注意義務を果たすことの前提となる。実際にはそれが果たされず、そこには個人だけではなく、組織としての結果回避義務違反も存在したという主張である。

さらに、石巻市内の小中学校の中では、ハザードマップで津波浸水域外となっていたところ、過去の津波の記録がなかったところ、海からの距離が遠かったところなど、いずれ大川小学校と同様または類似した条件にあった多数の学校が、早い時点での「大津波警報」に基づいて高所への避難を決定・実行し、生徒の安全を確保していた事実を指摘し、そうできなかった大川小学校側の過失を主張した。

 

 

 

大川小学校児童津波被害国賠訴訟を支援する会

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