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大川小学校児童津波被害国賠訴訟を支援する会です。

2018年1月23日午後1時30分から、仙台高等裁判所101法廷で控訴審第8回公判が開かれ、原告代理人が最終準備書面を提出し、原告遺族の今野浩行、鈴木実穂が意見陳述を行ない、被告側も準備書面を提出、これをもって結審となりました。

また、閉廷後、裁判所は、原告および被告の意思を確認したうえで、和解勧告は行わず、4月26日に判決が言い渡されることになりましました。

以下、当日の法廷およびその後の記者会見について報告します。

最終準備書面提出 原告遺族今野浩行、鈴木実穂の意見陳述

本年3月29日の控訴審第1回公判以来、10カ月間に8回の公判と1回の現場調べ(進行協議)が行われ、異例といえる日程のなか、原告としては十分に主張を尽くし、裁判所に一審で限定的に認定された当日の現場教員の過失責任のみならず、石巻市・教育委員会、大川小学校の校長、教頭、教務主任らが、事前に組織として津波災害対策を尽くさなかったことの不備・過失責任が、大勢の子どもたちの生命を奪った悲劇の大本の原因であることを明示できたと考えます。その集大成が、今回提出した最終準備書面といえます。

とくに、今野浩行鈴木実穂による意見陳述は、大切な子どもを理不尽に奪われた親の苦痛、悲しみ、怒り、願いに加えて、無念にも幼くして命を絶たれた子ども自身の言葉を伝えるもので、涙なしには聞けませんでした。大川小で起きた、あってはならないことが二度と起きないよう強く警笛を鳴らし、教育社会をおおきく変え、学校防災の礎となる判決を求めて、裁判官、原告、被告、代理人、傍聴者、報道といった立場を超えて、聞く者すべての心に強く迫るものでした。(二人の陳述書は、別途、掲載します)

原告最終準備書面は200ページを超え、これまでの公判の経過を踏まえ、義務教育の公立学校にあって備えるべき事前の防災体制について、法的義務と責任を、理論上も具体的措置の上からも厳しく指摘し、その義務を果たさなかった組織的責任を追及するものです。

被告側が「具体的な義務はなかった」「津波は予見できなかった」「自然災害として仕方なかった」など、まったくその責任を認めようとしない主張を続けてきたことに対して、学校保健安全法をもとに明確な法的義務があり、ハザードマップを含めた浸水予想の誤り、危機管理マニュアルの不備、指導・管理の欠如など、市・教委側の重なる義務違反を指摘し、校長、教頭らの義務違反・過失責任を問い、まさに組織としての対策の欠如・「無策」こそが大川小学校の子どもたちの命を奪った原因であったと主張するものでした。

裁判所、和解勧告は行わず

閉廷後、裁判所は和解の意思があるかどうかの確認を双方別々に行ないました。裁判官たちはまず私たち原告側から意思を確認しました。私たちは「良い判決を頂きたい」と答え、和解の意思がないことを伝えました。この後、裁判官たちは被告、石巻市・宮城県側が控えていた102法廷に移動、被告側は和解の意思はあると裁判所に伝えたようですが、裁判所は原告にその意思がないことを前提として、和解勧告は行わないと決めました。

和解協議はされず和解提案は受けていませんので、一部の報道にあるような、原告が和解協議を「拒否した」という事実はありません。

記者会見

公判終了後、原告団は弁護士会館で記者会見を行ないました。弁護士の報告に続いて、今野団長をはじめ、原告遺族有志が、長かった裁判の結審を迎えての感想を述べました。以下、簡単ですが要約します。

今野浩行

一審判決は現場の先生の責任を認めた判決だったが、私たちは現場の先生だけの問題ではなく、事前の体制が問題で、石巻市・大川小学校の学校組織にみられた生命を軽視する体質が悲劇につながったと考えていた。
一審判決後は「控訴しないでくれ」と宮城県 石巻市に出向いてお願いしたが、結果的にその願いはかなわず、お互い控訴という形になってしまった。
いま考えてみると、一審では取り上げられなかった事前の備えの部分が審理の対象になったことで、結果的に、控訴審をやってよかったと考える。
控訴審は「やるしかない」、との思いで取り組んできた。判決の内容如何にかかわるが、審理があって良かったと思う。正直なところ、今日で結審ということでほっとしている。
判決が4月26日にあるが、いままでやってきたことを整理して、次につなげられるようにしたいと思う。

佐藤和隆

今年で7年、長かったような短かったような、本当に。子どもを失って、さまざまなことで傷つき、大変な7年だったと思っている。

今野団長も述べたが、事前の備えの大切さ、義務教育とは何かを改めて思った。

今日の二人の陳述のように、義務教育の現場で、生命にかかわることについて、教育者から不誠実な対応が至るところで起きている。それに対して警笛を鳴らしてもらう、教育社会を変える判決を希望したい。

大川小では74人もの子どもが亡くなった。このことでいまの教育社会が変わらなければ、いつ変わるのか。自分のことだけでなく、隠蔽とかを終わりにしたいという思いが強い。教育社会に警笛を鳴らす判決を期待する。

佐藤美広

今後につながる判決を望みたい。法廷で今野さん、鈴木さんが述べた意見は、いまの私が思っていることとまったく同じことを述べてくれたと思っている。

私も、今野さんと同じで、息子と酒を交わしたいなと思う。私の息子には夢があった。船の船長になることが健太の夢でした。それも叶うこともなく、9歳という短い生涯を閉じたわけで、親としては一人息子だったので、本当に残念です。それがあって、裁判はこの息子への供養の一つだと思って、今日この日まで、私なりに頑張ってきた。

親としてできることはしたのかな、と思う。判決では、今後の学校現場で、私たちのようなことがない、今後の防災の礎になる、そういう判決内容を望みます。

紫桃隆洋

本当に長い、長い裁判でした。一審、控訴審と。今日結審を迎え、皆さんのご協力のおかげで、こういう形で結審まで至ったのかと改めて感じる。

一審は、個人的な、先生方に対する責任が明らかになったが、二審はあらためて組織について問うことだった。いま教育の場では、一人ひとり、一個人が集団、組織のなかで、見えなくなってることがたくさんある。そのなかで、生命というものを改めて考える、そういう問いかけをしたのが二審だった。組織について取り上げた裁判、検証として、そこが、明らかになったと思う。

只野英昭

今日陳述された今野さん、鈴木さんの二人には感謝の言葉しかない。聞いている間ずっと、泣いて聞かせていただきました。親として、あの言葉を聞いて泣かない人はもちろんいない。こんな思いをする人が二度と出てはならない。

二審では組織の事前の体制を争点にしていただき、学校防災についてずっと思ってきた。判決の結果がどうなるかわからないが、亡くなった子どもたちだけでなく、残された遺族、生き残った子どもたちにも、ちゃんと大人がやるべきことをしましたという、良い報告ができる判決が出されればと願う。

判決の出る4月26日を経て、それからまた真実を求める活動が始まる。裁判は過程にすぎないと思う。

こういうことが二度と起きないよう、われわれ原告・被害者側だけでなく、裁判で対立していた被告側も、二度と繰り返さないためにどうするか、これまでできてこなかった、対立ではなく、みんな一緒になって、二度と繰り返さないための活動をしていければと願います。

この後、報道陣との質疑が行われ、会見は終了しました。

今後の予定

判決:4月26日午後1時半〜

控訴審の判決は4月26日、午後1時半から言い渡されることになりました。

引き続き皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いします。

(只野英昭)

大川小学校児童津波被害国賠訴訟を支援する会

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